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日本カラコン 30周年を迎えるにあたって

カラコンは今年、日本事業の設立30周年記念を迎えることを嬉しく思います。日本カラコンは、1986年9月に最初のオフィスを東京日本橋に立ち上げ、1991年には東京板橋区にテクニカルサービスラボを設立しました。この初期の投資により、日本でのコーティングトライアルやフォーミュレーションサービスを可能にしました。また、日本企業を直接サポートするために規制に関する専門知識を生かした専門家によるテクニカルサポートとカスタマイズされたフィルムコーティング処方のサンプルをお客様に迅速にご提供することもできるようになりました。

さらに、カラコンのフィルムコーティング製品を日本で製造してほしいという要望が増え続けたため、富士郡芝川町(現富士宮市)に現地生産設備を設けるという投資を行いました。テクニカルとセールス事務所も移転し、新施設は2000年3月に立ち上がりました。製造施設は、カラコンの製品が製薬業界の厳しい要求に応えられることを証明するべく、業界が認定する医薬品GMP製造許可を完全取得しました。これにより、日本のお客様へ弊社の製品を供給する生産体制が整いました。

2003年以降、増え続ける市場の需要に応えるため、工場の生産能力を強化しました。最高品質の製品をお届けし、お客様からの信頼に応え続けることに対する弊社のコミットメントを示すかのように、医薬品GMP製造許可は5年ごとに更新され続けています。

継続的な教育を実現するため、製剤担当者に対して経口固形製剤の開発と生産についてより深い見識と実戦経験を提供するべく、初のカラコンコーティングスクール™による教育イベントを1990年代初期に開催しました。カラコンはまた学界とも密な連携を保ち、粉体工学会主催の「製剤と粒子設計シンポジウム」で毎年贈られるカラコン賞を後援しています。

 

日本カラコン社長のトーマス・ピルグラムは2016年10月14日にコンラッド東京で開催した、30周年特別記念イベントのカラコンイノベーションプログラムで弊社の大切なお客様からの変わらぬご愛顧に感謝の意を表しました。

イノベーション・プログラムの演題には、フィルムコーティング、素錠の処方、固形製剤用の薬物放出制御の分野において、最新の進展と技術的応用を盛り込みました。Colorcon Inc.の代表として副社長兼最高科学責任者であるDr. Ali Rajabi-Siahboomi、特別講演者として岐阜薬科大学の竹内洋文教授に御参加いただきました。

医薬品用包装
カラコンのNo-Tox® Printing Ink - 製品パッケージの中身への安全

経口製剤を製造する際、製造工程で起こりうるコンタミネーションへの配慮は最大の懸念です。それを防ぐための予防策として、無菌室の環境、特別な設備、保護服、生産現場に入室する従業員への厳重な清掃手順などの対策を講じることは、リスクの軽減につながります。

予防に対する意識は、製品を包装する際にも適用されなければなりません。ブリスター包装、瓶の密封剤、添付文書、乾燥剤などに使われる印刷インクを含め、包装材料のすべてにおいて、製品が安全に保たれるよう入念な配慮が必要とされます。

カラコンのNo-ToxインクはFDA 21 CFR に準拠した原料を使用し、医薬品、食品及び医療機器に対して直接的もしくは間接的に接触するものの印刷に使用できるよう、特別に設計されたインクです。また、すべてのカラコンのNo-Toxインクは cGMP(医薬品適正製造基準)に従って生産されており、バッチごとに21CFR規制基準への保証書を添付しご提供致します。

カラコンのNo-Tox®Pharmaceutical FDA Compliant Printing Ink(医薬用FDA準拠印刷インク)は医薬品包装の分野において幅広い選択肢をご提供致します。

詳細な情報をご希望の方は、こちらをクリックしてください。

「生産性の向上」と「リスク軽減」をカラコンが実現

カラコンは本年末までに行われる主要な製薬関連イベントにおいて、生産性の向上及び規制上のリスク軽減についての、最新情報をご提供致します。

2016年4月に発売されたオパドライ®QX は短い時間で適応性の高いフィルムコーティング剤であり、その需要は急速に拡大しています。革新的な進化を遂げたこの速崩性フィルムコーティングは、調製時間と作業時間の大幅な短縮により、効率的なコーティング工程を実現し、さまざまな種類の設備において生産コストの削減をもたらします。オパドライ® QX は幅広いコーティング条件に適用できるため、温度に敏感なAPIに対しても、常に最高品質の仕上がりを実現します。また多国籍の製薬企業において、しばしば設備の違いが課題になるなかで、簡単に経口製剤の製造移管することが可能となります。

さらに最新情報として、カラコンは、2017年1月にブラジルのインダイアツーバに7番目のフィルムコーティング製造拠点を開設します。また米ウィスコンシン州ストートンとフランスのバゼンヴィルにあるSuglets®白糖球状顆粒の工場は、製造ラインの拡大と工程の統合を行っております。カラコンはサプライチェーンの継続への管理とグローバル事業の継続計画を強化するために投資を進め、大切なお客様のリスク軽減をはかっています。

皆さまとお会いできることを楽しみにしております。

  • AAPS - デンバー、コロラド - 11月13日〜17日 ブース番号1215
  • CPHI  - ムンバイ、インド - 11月21日〜23日、スタンド番号D13 (BEC)
  • API - 上海、中国ー11月16日〜18日、スタンド番号A4E88

フィルムコーティングは
見かけ以上に複雑

「完璧な仕上がりの処方を実現するには」という記事の中で、Ali は正しいシステムを選択することの重要性、また誤った選択が患者のコンプライアンスに影響を与え、さらには放出プロファイルにも悪影響を及ぼし、薬の効果を損いかねないと述べています。それゆえ、最適な処方を選ぶとともに、苦味マスキング、飲み込みやすさ、必要な放出プロファイル、上市する市場の規制、さらに全体的な外観の美しさについて考慮することが重要になります。製造業者にとって錠剤へコーティングを行うことは、製品のブランド化を行い、市場での差別化を促進するとともに、薬物送達に関わる機能をもたらすこともできます。患者にとっては、医療ミスのリスクを軽減し、正しい投与量を摂取して、服薬順守することがすべてなのです。

専門家の見識があれば、最初から正しいコーティング剤を選ぶことができるでしょう。

最近、The Medicine Maker に掲載された記事の中で、カラコンの副社長兼最高科学責任者であるDr. Ali Rajabi-Siabhoomi が、正しいコーティング剤の選択について、及び最新の動向に乗り遅れないためにはというテーマで見識を述べました。

安定性と一貫性 = 頼りになる信頼性

フィルムを形成するポリマーやポアフォーマーは薬物の放出を制御し、その成分含有量によってコーティングされたマルチパーティクルの徐放性能は大きく左右されます。コーティング処方の組成の安定性を確保することは、長期的には製剤が一貫した性能を達成するための鍵となります。

オパドライ®ECはエチルセルロースを用いた有機溶媒系コーティングシステムであり、その発売を後押しするため、カラコンは2016年の薬物放出制御学会の年次会合において研究論文を発表しました。「エチルセルロースを用いた完全処方化放出制御コーティングシステムの組成と性能安定性」というその論文では、オパドライ®ECに使われているポリマー、ポアフォーマー及び可塑剤の含有量の差に対する長期的な影響と、6ヶ月間の加速試験における組成成分の安定性について示しました。

薬物レイヤリングされたマルチパーティクルの放出プロファイルは、コーティング剤の保存状態あるいは、保存期間に関わらず、一貫していることが証明されました。さらに、中間的保存条件及び、6ヶ月間の加速試験条件下で保管したオパドライ®ECをマルチパーティクルにコーティングしたときの放出プロファイルおいて、一定の薬物放出が得られました。

服用用量に依存した徐放性製剤設計

 

複数用量の放出制御製剤を開発するのは難しく、多大な時間を費やすことがあります。一つ目標とする品質の製品プロファイル(一回分の投薬量)を最適化したとしても、次に低いあるいは高い用量について最適化するには、さらなる開発課題が伴います。その処方が特別にカスタマイズされた処方であれば、質的または量的な変化や、異なった安定性試験、スケールアップ、また各用量に対するバリデーションが必要になるかもしれません。用量に対して比例的に製剤設計を行えば、これらの作業をかなり簡素化することができるのです。

カラコンは米ワシントン州シアトルで行われた薬物放出制御学会の2016年年次会合において「マルチーパーティクルシステムを用いた、服用用量に依存した徐放性製剤に関する研究」 というポスターを展示しました。この研究では、白糖球状顆粒に薬物をレイヤリングし、徐放性コーティングを行った、徐放性マルチパーティクルを用いて、異なる用量のモデル薬物を用量に対して比例的に添加することを目的として行われました。このようにマルチパーティクルを用いて服用用量に依存した製剤設計を行うには、最適化された放出プロファイルと同等のマルチパーティクルのバッチが用いられます。このときマルチパーティクルの表面積に対する体積の割合と表面積に対するフィルム厚の割合は、用量に関わらず一定となります。

この研究はプッシュプルオスモティック錠剤親水性マトリックス錠剤のような服用量に依存した徐放性製剤への戦略として、評価が行われました。

新たなオンラインツール -  カラコンのコーティング処方設計

カラコンの完全処方化コーティングシステムのご利用をサポートするために、新たにオンラインでのコーティング処方設計サービス がスタートし、ご登録されたお客様にご利用いただいております。

このサービスは簡単に使用することができ、必要となるフィルムコーティング剤の量や、バッチサイズに基づいた、コーティング分散容器の寸法を計算します。

開発用や生産規模などスケールに関わらず、このツールは錠剤の完璧な仕上がりにお役立ていただけます。


NDA、 ANDA、OTCの申請には、セイフティ・バイ・デザイン(デザインによる安全性)の採用を

2016年4月、米医薬品評価・研究センター(CDER)より、医療ミスの可能性を軽減するため、製造業者に対して以下のようなガイダンスが出されました。「医療ミスを最小限に抑えるための医薬製品の開発における製品デザインに関する安全性の考慮」では処方者と患者が簡単に薬を見分けられるように、大きさ、形、色に配慮するよう奨励しています。

カラコンの技術資料セイフティ・バイ・デザイン(デザインによる安全性)」では、このガイダンスで取り上げられているポイントを簡潔にまとめています。さらに弊社のブランドエンハンスメント(BEST)グループは、お客様がNDA、ANDAまたOTCへの申請手続きをスムーズに行えるよう、書類提出をサポートするためのご案内や資料をご提供することができます。

カラコンとBASF 協業を推進

2016年5月25日の発表 に続き、カラコンはBASFからKollicoat® IRコーティングシステムを譲り受けるための最終手続きを完了したことをお知らせいたします。カラコンは世界中にある生産工場からKollicoat® IRコーティングシステムのすべての既存のお客様にサービスをご提供いたします。

Kollicoat® IRコーティングシステムが加わったことで、カラコンは既存のフィルムコーティングの製品ラインを補完し、また、完全処方化フィルムコーティングシステムのリーディングイノベーターとしての地位を強化し、お客様に幅広いフィルムコーティングの選択肢をご提供することが可能になりました。

詳細をご希望の方はカラコンカスタマーケアまたは、最寄りの代理店にお問い合わせください。

ダウとカラコン 放出制御アライアンス(提携)の領域を拡大

2017年1月1日より、カラコンとダウ・ケミカルはダウ・ケミカルの先進技術に基づいた医薬品添加物を既存の放出制御アライアンス(提携)に追加し、アライアンスを拡大します。 プレスリリースはこちらから»

祝辞ーAPSGBがカラコンの最高科学責任者を表彰

英国の薬学会Academy of Pharmaceutical Society of Great Britain (APSGB) はカラコンの副社長兼最高科学責任者のDr. Ali Rajabi-SiahboomiにEminentフェローシップ賞を贈りました。

「フェローシップは、薬学分野での顕著な貢献に対して贈られ、EminentフェローはAPSGBの理事会に対し、それぞれの専門分野に関する助言とガイダンスを提供します。

カラコンはAliの素晴らしい功績を称えます。