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スムーズなコーティング調製のためのシンプルステップ

医薬品の候補物質の発見から、製品が市販されるまでの全ての流れを考えると、フィルムコーティング液の調製は、単純なステップのように見えるかもしれません。単に、粉末と水を混ぜ合わせるだけです。けれどもそれは重要な工程であり、我々が定期的に質問を受ける、基本操作のうちの1つでもあります。

あなたは、コーティング成分の分散がうまくいかず、コーティング液がだまになってしまったことがあるかもしれません。多くの場合、完全に分散したコーティング液を得るために、必要以上に時間がかかってしまっています。しかし分散が不十分なコーティング液では、生産性は低下し、設備の洗浄に影響を与えるケースもあり、製造を行っていく上で頭を抱える問題になることもあるのです。そのため最初から、正しくコーティング液の調製を行うことが重要となります。

コーティング液の準備については、うまく分散させるために、いくつかのコツをつかんだ実践が必要です。以下に、あなたのコーティングをきれいに仕上がるための、簡単なステップをご紹介致します。

1. 適切な機器を使用する

幸運にもあなたは、すでに全ての適切な機器を手にしています。私たちの経験では、機器はシンプルなものでよく『過剰な工夫』を試みることは、避けた方がいいのです。ですから蓋の付いた容器、複数のプロペラが付いたシャフト、高せん断攪拌機などは脇に置いておきましょう。これらは、工程を複雑にしてしまうだけで必要ありません。

初めに、水とコーティング剤(粉末)の全てを入れることができる、大きな容器を準備します。そして攪拌している間、大きな渦ができるだけのスペースも必要です。経験則として、容器の直径は、最終的な分散液の深さとほぼ同じくらいが理想です。フィルムコーティング計算アプリ>

次に、容器、攪拌羽根、水、コーティング剤など、コーティング液の調製に使用するものは全て、室温にして下さい。水などを温める必要はありません。

速度を調整できる攪拌機を用いて、攪拌羽根は容器直径の約1/3になるような大きさのものを選択して下さい。あなたは、攪拌羽根の準備だけは必要になります。私たちが推奨するのは、ボートのエンジンに設置されているような、プロペラ型のものです。

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容器の直径の約1/3の大きさの攪拌羽根を選択して下さい

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小さい攪拌羽根は使用しないで下さい

高せん断攪拌機を使用した場合、あなたがうまく攪拌するのに必要とする力よりも、より大きな負荷が加わってしまうため、気泡を発生させたり、ポリマーの高分子鎖と着色剤が断絶され、フィルムコーティングの色や強度が変わってしまいます。

可能な限り攪拌羽根は、容器の底部にセッティングして下さい。攪拌機が容器の横に設置されている時は、攪拌羽根はできるだけ攪拌機の側になるように配置して下さい。

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攪拌羽根は攪拌機が設置されている側にくるように配置して下さい

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攪拌羽根は攪拌機から離れた場所に配置しないようにして下さい

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2. 渦を作る

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適切な渦

室温の水を容器に採り、大きな渦を作るように攪拌します。渦の底に攪拌羽根が見え、水が泡立つようなゴボゴボという音が聞こえてきます。攪拌機の回転スピードを、ちょうど渦が攪拌羽根の上に来るまで下げます。水の泡立つ音は止まり、コーティング剤を加える準備ができていることを示しています。

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コーティング剤の添加

流れの中に、直接コーティング剤を添加していきます。渦がコーティング剤をだまにならずに分散できる範囲で、できるだけ早く注ぎ込んで下さい。理想としては、分散液の表面にコーティング剤が、流れずに浮かんでいることがないことが好ましいです。

よくある間違いとしては、この段階でコーティング剤をゆっくり添加し過ぎているということがあります。このやり方は、従来のコーティングシステムでは、周りに付着たり、塊になってしまう傾向があり、その過去の経験から来たものだと思われます。それは、今のコーティング剤では、もはや当てはまりません。躊躇せずに自由に注ぎ込んで問題ありません。コーティング剤がわずかに舞い上がってしまうことがあるかもしれませんが、ほとんどの換気システムで、十分に処理できる程度です。

ですから、すくい上げたり、散りばめたりしないで下さい。この工程を過度に複雑化する必要はないのです。シンプルに、注ぎ込んで下さい。液面が動いていることを確認できれば、コーティング剤は効率的に取り込まれています。小さな塊が見えるかもしれませんが、これらは攪拌していく中で、自然と崩れていきます。生産スケールではほとんどの塊は、テニスボール又はゴルフボールの大きさよりも小さいため、攪拌時間内で十分に崩壊します。

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分散液は攪拌したままにする

容器の中に全てのコーティング剤を加えたら、攪拌機の回転スピードはわずかに減速して、渦が液面のすぐ下になるように調整して下さい。不溶性の原料が沈殿してしまうのを防ぐために、分散液は攪拌したままにして下さい。コーティング剤の処方によりますが、25分から50分でコーティング液の準備が整います。

3. スプレーを開始し、確認する

コーティング中も攪拌を続け、分散液を監視し続けている必要があります。液滴の大きさや、分散液に空気を取り込んでしまわないように、渦の流れが強すぎないことを確かめることが重要です。

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泡が現れ始めたら、攪拌スピードを減速する

分散液に泡が含まれれば、スプレーが難しくなり、パンの汚れやフィルターの目詰まりを起こす可能性があります。泡が形成され始めたら、攪拌機の回転速度を減速して下さい。多少の泡の発生は問題なく、通常起こり得ることですが、数インチ以上だと問題を引き起こす可能性が出てきます。コーティングが進み、分散液の量が攪拌羽根の位置に近づいてくると、この時点で攪拌機の回転スピードを減速、もしくは停止し、攪拌により過剰の泡が発生することを避けなければなりません。

コーティング速度の測定については、流量計に頼るのではなく、カラコンでは分散液の重量をモニタリングするために、ロードセルのご使用をお勧めしております。流量計では、特に分散液中に泡が存在する場合、誤った測定値を示すことがあります。重量によるモニタリングでは、分散液がどのくらい使用されたかを、いつも正確に示すことが可能です。

コーティング液の調製は、実践によって改善される単純な工程です。ご使用いただくことで、完璧な仕上がりへと近づいていくでしょう。 

カラコンでは、全ての錠剤がいつでも完璧な仕上がりとなるよう、お客様のサポートすることを目標としております。最適なフィルムコーティングを施すためには、開発の初期段階よりご相談いただき、処方、コーティング及び製造工程のプロセスで起こり得る問題を、直接理解することが、最良な方法となります。